オレンジTシャツ

アラフィフ大学生
先住民族の寄宿学校
https://orangeshirtday.net/

9月30日

アメリカ大陸には、皆さんご存じの通り先住民族の方たちがいらっしゃいます。日本でも、北海道(アイヌ民族)・沖縄(琉球民族)と、皆さんもご存じの事でしょう。

先日、9月30日「Orange Shirt Day:オレンジ・シャツの日」と言うイベントがカナダ全土で行われました。

このイベントは、カナダ・アメリカで先住民族の子供達がキリスト教の寄宿学校(1891-1981)に入れられ強制的なキリスト教育を強い入れられ家族がバラバラに離されたという過去がありました。

中には自殺する子、寄宿舎から逃げた罰により射殺された子などいたと言われています。十分な栄養が与えられず病気になり亡くなった子、沢山の小さい命を失いました。

何とか生き残った子供たちは、精神的苦痛による精神疾患を患う大人と成長しました。また、バラバラになった家族を取り戻そうと今も沢山の成長した子供・親達が親兄弟を探し続けています。

この「オレンジ・シャツの日」をカナダ政府と犠牲者・家族の調和を図る日また次の世代にこの過ちが繰り返されぬようサポートし合おうという日なのです。

イベントへの参加

大学での”Orange shirt day”イベント

私の所属する大学でもZoomによるイベントがありました。約300人ほどの方々が参加されていました。

大学の歴史学者が司会進行、他4名は先住民族の家族またはその寄宿学校の経験者です。

其々の立場からこの日に込める思いを話してくれました。

その中の一人は、今も家族・子供を探している方の記事を書いています。

母の願い:子供達を戻して (9月30日 Louellyn Whiteにより書かれた記事)https://indiancountrytoday.com/news/a-mothers-prayer-bring-the-children-home

寄宿学校に入った子供たちは、家族の元を離れ、亡くなった後も家族のもとへは帰れず伝統的な葬儀などもされず近くまたは遠くの異国の地(アメリカ)の墓地に静かに眠っています。そこに眠っている子供達の身元を確認するのはとても困難を要します。何故なら寄宿学校の決まりにより名前など全て変えられているからです。

5月28日に215人の遺骨がブリティッシュコロンビア州のカムループ市寄宿学校(1893~1978)跡地から発見されました。その遺骨に関する資料は一切残されていません。その為、いったい誰なのか名前も家族も分からないままです。

この発見により次々に各地の寄宿学校跡地を掘り起こし真実を確かめるための活動が続いています。

バンクーバーアートギャラリーhttps://en.wikipedia.org/wiki/Kamloops_Indian_Residential_School

せめて探している者同士がいつの日か繋がる日を祈るばかりです。

Every Child Matter:一人一人の大切な子供の命:Chaque Enfant Compte

今書きながら気づいた事があります。英語版ではTシャツに「Ever Child」全ての子供、フランス語版では「Chaque Enfant」各・それぞれの子供と書かれています。

初めて見た時は何故フランス語版は「Tous」(英語の直訳はEvery)ではないのかと・・・

此のオレンジシャツの日を知っていくうちに「全ての子供」ではなく「一人一人・それぞれ」っと言う言葉がしっくりしたのです。

犠牲になった子供達を思えばこそ、一人一人の大切な命だと学んだからでしょう。

身元の分からない子供達の遺骨がまだまだあります。学校を卒業しても全く違う地域に連れられ戻る事の出来ない迷った卒業生もいます。寄宿学校に行っている間に自分の街を失った人もいると言います。

ヨーロッパから来た人たちによるアメリカ全土への植民地制度は、未だに沢山の先住民に苦しみを与えています。

日本も他人事ではない事実

カナダに来てから、中国人と韓国人によく日本の歴史教育の件について聞かれます。

彼らは、日本の歴史教育は正確ではなく歪んでいると言っています。

良いか悪いかは別として、私は歴史は本当に勉強せず生きてきたので残念ながら彼らの質問に答える事は不可能でした。

ただ彼らから日本が歴史上で植民地として中国・韓国へのどのような酷い仕打ちをしてきたかをずっと聞かされました。(彼らは経験者ではありませんが・・・)

此の「オレンジシャツの日」に学ぶ事は、やはり和解へ向け真実を確かめ合う事なのではないのかな・・・っと、思っています。

お互い攻め合うのではなく分かり合えるようにならなければ、憎しみ合いが永遠に続くのです。

次の世代へ、繰り返される事が無くなるように・・・

まだまだ学び中

私はまだ先住民族の方達への知識は浅いです。

参加させていただいたイベントでも、「政府を初め皆さんに、ただ謝るのではなく学んでほしい。過去に何が起こったのか知って欲しい。」っと、パネラーの一人が訴えていました。

日本でも放映されているカナダのドラマ「アンと言う名の少女」がありますが、ご存じですか?

このドラマ原作にはない問題点をドラマで取り上げています。そしてこの先住民族の寄宿学校にも目を向けています。日本ではシーズン2作目まで放映されているようですがシーズン3でこの問題提起をされています。そしてこのシリーズ3は最後となりました。

これを見た時、思わず”大丈夫なの?”っと、思いました。

かなり良い描写をしていると思いますが、勉強中の私にはまだ個人的意見はできませんね。

https://www.nhk.jp/p/anne2/ts/Y5K7QL16N3/?cid=orjp-dramab-210730-1300

コメント

  1. よっしー より:

    “オレンジTシャツデー”はじめて耳にしました。
    そして、「アンと言う名の少女」って「赤毛のアン」ですよね?
    シーズン2・3もあったの⁉️
    ドラマを通して歴史を感じることができるだろうから、ちょっと見て知識を深めたいと思いました。アラゴ姉さん、教えてくださりありがとう(*- -)(*_ _)ペコリ

    • アラゴ より:

      コメントありがとうございます。
      9月30日の「Orange shirt Day」まだまだ、カナダでも知らない人は多いと思います。
      日本の先住民の方々にも私個人興味があります。
      北海道のアイヌ民族のワークショップは参加しただけですので、次回。

      はい、「アンと言う名の少女」は、モンゴメリーさんの「赤毛のアン」でございます。
      シーズン3が最後になります。NHKではまだシーズン3の放映日は、未定のようです。
      (日本のNetflix では、全て放映されているかも・・・)
      今回の製作者たちは、過去のカナダでの問題点を多くこのドラマに取り入れています。
      今までの「赤毛のアン」とは内容の違う点がありますよ。お楽しみあれ!